ドメイン選定
ドメインはWebサイトを構築する上で、コスト的には一番安価ではありますが、取得したドメインを運用中に変えようとしても簡単に変えられるものではありません。
ドメインは検討を重ねて、後悔のないよう選択しましょう。
新しくドメインを取得する場合、企業であるならば、信頼性のあるドメインの選択が必要ですし、サービスサイトや商品サイトの場合ではユーザーに伝わりやすく、サービスまたは商品のブランディングに直結するようなドメインにすると良いです。
ドメインについて詳しく解説すると、ネットワーク上のサーバやコンピュータには「IPアドレス」が割り当てられています。
身近にある例えでイメージするとIPアドレスは「住所または名前」、HP(Webサイト)は「家」という位置づけです。
IPアドレスは123.45.67.89というような数字が羅列された分かりにくく、覚えにくいため、
ユーザーが特定のHPにアクセスする際に、分かりやすく覚えやすくするためにドメインというのが用いられています。
また、ドメインには国別(ccTLD)を表すドメインや、分野別(gTLD)、組織・属性を表すドメインなど、今ではたくさんのドメインが存在しています。
ドメインの種類
ドメインには「トップレベルドメイン」や「セカンドレベルドメイン」といったドメインの種類があります。
「トップレベルドメイン」では国コードごとに定められているccTLD(日本では「.jp」)や、組織・個人など分野別で利用できるgTLD(「.com」や「.net」)
「セカンドレベルドメイン」は、ドメインの階層を表す際に使われるため、ドメインによりセカンドレベルドメインがどう表すかは変わります。
「co.jp」の場合、トップレベルドメインが「jp」になり、セカンドレベルドメインとして「co(組織)」などの種類で構成し表しています。
よく例えられるイメージでは、〇〇県〇〇市に当てはめることができます。
トップレベルドメインは「県」でセカンドレベルドメイン「市」に例えられます。
ccTLD(国別トップレベルドメイン)の種類
ccTLD | 国/地域名 | エリア |
---|---|---|
jp | 日本 | 東アジア |
tw | 台湾 | 東アジア |
us | アメリカ合衆国 | 北アメリカ |
uk | イギリス | 西ヨーロッパ |
fr | フランス | 西ヨーロッパ |
日本に割り当てられらccTLD「.jp」には、属性型(組織種別型)JPドメイン名、地域型JPドメイン名、都道府県型JPドメイン名、汎用JPドメイン名の四種類があります。
属性型(組織種別型)JPドメイン名の一例
組織(企業・学校・財団など)の種別ごとに区分され、原則1つの組織で登録できるドメインは1つです。
ドメイン | 用途 |
---|---|
co.jp | 企業向けドメインで、日本国内で登記を行っている組織のみドメインの取得(取得時に登記簿の申請が必要)ができます。 主な組織例として株式会社、有限会社、合資会社など |
ac.jp | 大学や高等専門学校などの学校法人、職業訓練法人などで取得可能 |
or.jp | 財団法人、社団法人、医療法人などや、公的な国際機関でも取得可能 |
ed.jp | 18歳未満が対象の教育機関で取得可能です。 主には、幼稚園、保育園(所)、小学校、中学校、高等学校、養護学校などが対象です。 |
地域型JPドメイン名
-
地域に密着したドメイン名として、市区町村レベルまで構成されたドメインでしたが、複数登録できないことや、長いドメイン名になりやすいということから、2012年3月31日をもって、新規受付は終了しました。
終了以前に取得されたドメインに関しては、継続して利用が可能です。
その後、地域発展という活用性を検討し新たなjpドメイン名として、「都道府県型JPドメイン名」が新設されました。
都道府県型JPドメイン名
47都道府県の名称を持つドメイン名になり、日本国内に住所をもつ組織・個人で取得可能で、取得数に制限はありません。
また、都道府県のセカンドレベルは英語か日本語を選択できます。
ドメイン例として「○○○○.tokyo.jp」「○○○○.東京.jp」というようなドメインになります。
汎用JPドメイン名
日本を表す「.jp」ドメイン名で、日本国内に住所をもつ組織・個人で取得可能で、日本国内で使⽤するサイトであれば、取得数に制限はありません。用途としては日本国内のブランディングサイトに適しています。
日本語ドメインでの取得も可能です。
ドメイン例として「planon.jp」「プランオン.jp」というようなドメインになります。
gTLD(ジェネリックトップレベルドメイン)の種類
gTLDのドメインは、組織・個人関係なく誰でも取得可能です。本来はドメインの意図や目的のもと使用されていたドメインもありますが、Webサイトの多様化に伴い、今では関係なく使用される場合があります。
gTLD | 用途例 |
---|---|
.com | 企業、商用問わず使用可能。個⼈だったり業種や事業形態は関係なく、国内のみならず海外でも使用されているので、この世の中で一番多く使用されているドメインではないでしょうか。 最⼤のメリットは取得費⽤の安さ。 |
.net | 元々はインターネットサービスのプロバイダなどネットインフラのために使われていました。 現在はこの制限は解除され、世界中誰でも取得できます。 メリットは「.com」同様に取得費⽤の安さと「.com」と並んで割と知名度が⾼いのもメリットのひとつです。 |
.info | 情報サイトの使用を意図する意味があるドメインですが、特に用途に対して規制はありません。用途としてはイントラ向けサイトに活用できそうです。 |
.biz | ビジネスを表すドメインで利用目的が商⽤などビジネス全般に利用されることを想定しているドメインです。 「.com」が人気もあり、あまり見る機会がなくなりましたが、「.com」でドメインの取得ができなかった場合の代わりとして、取得するケースもあります。 |
.org | organization(組織)の略で主に⾮営利団体での用途を想定としたドメインですが、誰でも取得可能なドメインです。 |
ドメインの選び方とSEOの関係性
数多くの種類があるドメインですが、一体どれを選択し、SEOに良いドメインはどれなのか?と迷い気にされる方もおられますが、ドメインはSEOとは関係ありません。
前項にあります、都道府県型JPドメイン名(〇〇〇〇.tokyo.jp)と地域gTLDと言われる(〇〇〇〇.tokyo)というドメインでは、「.jp」がつく都道府県型JPドメイン名の方がSEO的に有利ではないかと思われますが、Googleでも公式にドメインの取り扱いについて、
- 新しい gTLD も他の gTLD(.com、.org など)と同じように処理され、特定のトップレベルドメインのキーワードは有利にも不利にも働くことはありません。
- 地域固有の TLD も gTLD と同じように処理します。
と述べています。
ウェブマスター向け公式ブログより
https://webmaster-ja.googleblog.com/2015/07/googles-handling-of-new-top-level.html
ドメインの選定方法としては「影響力」について意識した方が良いでしょう。
ユーザーにとって信頼性のあるドメインを基準に選定する
ドメイン選定方法の「影響力」というのは、SEO対策ではなく、ユーザーにとって「親和性」や「信頼性」を基準に選定することをお勧めします。
企業サイトであるならば、当然「co.jp」、ブランディングサイトであるならば「jp」になります。
その次に「.com」でしょうか。
また、ユーザーとなるターゲットがどんな人たちなのかという点でも、選定基準や考え方がありますので、意図や用途に合わせた選定が必要です。
ドメイン名の自由に付けられる箇所にはSEOキーワードを含ませよう
トップレベルドメインではSEOに関係ないと、お伝えしましたが、トップレベルドメイン以外の独自のキーワードを採用できる箇所にはSEOを意識したキーワードにし、ブランディングサイトならば、「商品名.jp」というような、ユーザーにとって分かりやすく、自社の商品やサイトのテーマと関連づくキーワードが良いです。
弊社では実際に商品ブランディングの効いたドメイン名と、そうではないドメイン名とで競合比較をした際、やはり商品ブランディングの効いたキーワードが入ったドメイン名の方が圧倒的にSEOに強いというのを実感した経験があります。
ドメインの管理と廃棄
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ドメインを複数管理・運用されている場合、全てのドメインに関する情報はちゃんと把握されていますか?
担当者ごとの契約により一元管理されていない場合があったり、ドメイン取得した担当者が辞めてしまった、というようなお話もききます。
ドメインに限らずですが、Webまわりのインフラ関係は、IDやパスワードが無くなるとログイン出来なくなってしまったりと、運営に大きな影響がありますので一元管理の徹底が必要です。
代理店運用の場合は、代理店にて管理していただくのが良いでしょう。
ドメインの廃棄について
使用していないドメインはコストも継続して掛かり続けますので、使用しないなら更新契約をストップしましょう。
廃棄についての注意点として、廃棄まで1年間はドメインを保持しておくことを推奨します。
サーバ契約にもよりますが、サーバが保持できる場合、廃棄ドメインにアクセスした際は、Webサイトの終了のお知らせなど、このドメインでのアクセスは出来なくなる旨のページだけを表示し、下層にページがある場合は、全て削除しましょう。
なぜ保持する必要があるのか、
自社が使用していたドメインの契約が終了すると、別の誰かに同じドメイン名での取得が可能になります。
優良企業であればよいですが、そうとも限らない場合もあり、悪質なサイトにて自社が使用していたドメインが使われるようになる可能性もあります。
自社について検索したユーザーがアクセスしたら、全然違うサイトだったら印象は良くありません。
その為に1年間保持し、検索結果からドメインに紐づくサイトの情報を消すことが、ドメイン廃棄前の必須事項となります。